採用定着士による未来志向経営者インタビューサイト

初めまして、株式会社Meeting代表の三村恵三です。
私は、39歳の時、前職の広告デザイン会社から独立して会社を設立しました。
設立当初は私が得意としていた広告案件をメインにしていましたが、この5年間で従業員も増え、それと同時に私たちが提供する領域は広がっています。

今では、企業やサービスのブランディングがメイン事業となり、商品単体のクリエイティブを作ることから、その商品やサービスはどのようなブランドになりたいのか？また企業はそのブランドを通じて、どのような影響を与えていきたいのか？
など、ブランドそのものの存在意義（パーパス）を考えるところから提案させていただくことが多くなりました。

商品を作るということは、企業側にもその商品を作るに至った想いがあります。その想いの中には、必ず消費者に対しての想いがあります。ただ商品の機能を伝えるのではなく、どれだけ想いを込めた商品なのか。この商品を通じて、みなさんにどのように暮らしを豊かにしていただきたいのか。その思いを理解していただくことで、企業の信頼性が上がり、末永い顧客との関係を作っていく。そんな部分をデザインすることも私たちの大切な役割になってきています。
もちろん、共感していただき、ファンになってもらうことは容易ではありません。
ただ、ブランドを一緒に育てていく。そんな関係性が購入者と築くことができれば、よりブランドは強固になり、SNSなど信頼性の高いメディアでの拡散も生まれることがあります。一方的な発信ではなく双方向の発信が生まれることこそブランディングの目指すところだと考えています。
どこに広告を出すとか、商品を知ってもらうためにどんなキャッチコピーを考えるようなこれまでのマーケティング戦略とは異なりますが、企業のパーパスに共感してもらえる戦略を打ち出すことも、これからますますマーケティング戦略として重要になってくることでもあり、ある意味、経営戦略の１つでもあります。

一般的にマーケティングとブランディングは本来異なる意味ですが、どちらも「価値を伝える」という意味では一緒だと考えています。
ブランディングが育めば、商品やサービスの機能や価格だけの競争ではない戦術を考えることが可能になります。また、ブランドに対して信頼が増せば増すほどリピーターも増え、リピーターが増えるということは、購買活動がある程度安定します。
本来、人が何かを買う場合、かなりクロージングまで時間や選択肢がありますが、大好きなブランドが発売する時って、機能や価格関係なく、「欲しい！」となりませんか？私もそんな消費者の一人です。（笑）ブランドが強くなれば、購買意欲も強くなる。そんなこともブランドの魅力だと感じています。

また、ブランディングは何も市場だけの価値を生むものではありません。ブランディンのもう一つの大きなメリットとしては、良い人材が集まりやすくなります。実際、飲食業界でも、
ブランディングがうまくできているところとできていないところでは、採用の競争率の差が100倍違うというデータもあります。
一般的に言われている経営資源（人＋モノ＋カネ＋情報）がありますが、これに「デザイン」を加えた５大経営資源が必要だと考えています。
デザイン思考を経営に取り入れることで、より明確に、想いを視覚化できることにつながり、それはプロダクトやサービスにも色濃く現れてきます。
そもそも企業活動は、すべてつながっているので、商品を売るためだけに何かを変えるとか、良い人材を採用するためだけに採用条件を良くしても、うまくいきません。

だからこそ、私は、クライアント企業のブランドパーパスを高めていきたいと思っています。
その商品やサービスの背景にある思いや会社のビジョン、最終的に会社はこの商品を通じて何を実現したいと考えているのか？
クライアントと一緒になって真剣にもっと深く考えて提供できる仕事がしたいと思っています。
私たちのところには今でも、商品やサービスを売りたいのでプロデュースしてほしいというご依頼もいただきます。
しかし、最近では、将来に向けてクライアント企業がどうあるべきについての相談をいただくようになりました。
最近では、そんなパーパス（存在意義）を自社に取り入れたいという依頼がとても多くなってきています。軸を内外ともにぶらさない経営に対して、みなさんが関心ある証拠だと思いっています。

現在、私たちは、1職種一人（全員、領域が異なる人材）で業務を行っています。
現在１０名弱の企業ですが、数が多いといいわけではありません。
質を保つためにも、15名から２０名までの規模は小さいけれど、存在価値は大きい。そんな会社になっていけたらと思っています。やっぱり、会社は「人」ですから。質をしっかり担保しつつ、クライアントの価値を高める仕事をしていきたいですね

具体的な業務としては、ブランディング・コンサルティングのさらなる強化、事業承継に特化したコンサルティングをはじめ、たとえばお店を始めたい方へコンセプトをしっかりと作り上げ、お店づくりから運営・発信までサポートしていくことなど、事業領域ごとに少人数精鋭集団のグループ会社を起ち上げていきたいですね。それぞれの専門会社がクライアントにコミットできるようになっていくことで、ブランド価値の新たなエコシステムみたいなものが作り上げていけたらと考えています。

昨今、中小企業の事業継承は課題の一つです。
私たちはこの問題にも真剣に取り組んでいます。
歴史ある会社や店舗の後継ぎがなくそのまま日本から消えていくのは、将来の日本の大切な文化や価値を失うことと一緒だと思います。
最近では、ブランディングプロデュース会社でありながら、純喫茶の経営も始めました。
創業70年近い喫茶店を引継ぎ、新たな喫茶の価値を提案する喫茶店としてオープンしました。喫茶店が持つポテンシャルはもっとあるはず。変えないところは変えず、変えていくべきところは変えていく。そんな気持ちで運営しています。
OMO「Online Merges with Offline」という概念があります。日本語に訳すると「オフラインとオンランの併合」という意味になります。
喫茶店は完全これまでオフラインの存在でした。そこにEC機能を搭載してお菓子やコーヒーを販売したり、SNSマーケティングを駆使してコニュニケーションを活発にしたり、あるいはそれ以外の仕組みを搭載させていくことなど、オンラインの概念を取り入れていくとまだまだできることがあることに気づきます。ただ戦術に溺れてはいけない。あくまでもおいしいものを提供する。ここは飲食をやる以上、一番大切なことです。それが軸にあって、このおいしいものの先にあるお客様の暮らしや時間そのものの価値をどこまで考えることができるか。そこをもっと深掘りしていきたいですね。おかげさまで、現在、かなりのマスコミにも登場し、お客様がいらしてくださるようになっています。これはほんとに小さな事業承継の例でしたが、通常の受託領域でも、当社は、事業承継をされたばかりのクライアントさんとの仕事も非常に多く、ブランドを強固にしていく仕組みを常に考えています。今後も、若い方々が事業を継承してもしっかりと事業を継続できる仕組みを構築するとともに、お役に立てることを常に様々な角度から考えていきたいです。

三村社長とは10年来の知り合いですが、今まで会社のやっていることなどについて詳しく聞いたことがなく今回はとても良い機会をいただきました。
前職場から独立され現在の会社設立され、今にいたるこの5年間で、世の中は大きく変化したのではないかと思います。
その変化を、見過ごすことなく確実にクライアントのために事業を展開されてきたのが、株式会社ミーティングだと感じました。
広告を作るだけではなく、今はその会社の文化を見つけ形にする。
新しい商品やサービスは何のためにこの世に生み出されたのか？
その価値は何なのか？
それに、時代のお客様からの信頼は得られるのかどうか？
クライアント企業の社長ですら気づかないことに三村社長はじめスタッフの皆さんは気づき、命を与えている。
だからこそ、この会社は指示され多くの企業から相談が入るのだと感じました。
とてもお忙しい中お時間をいただき熱く語っていただいた三村社長の益々の発展を祈願しております。

（著）ヒューマンアラウンド株式会社　採用定着士　野田　亨