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コンベアベルトのレスキュー隊として100年企業を目指して「つなぐ」想い【有限会社茨城ベルトサービス】

【インタビュアー】徳田社会保険労務士事務所 福田祥子

創業者の想い

先代が茨城県で初のコンベアベルト加工士に

経営理念「つなぐ」は2代目の自分になってから作ったもので、先代の時は経営理念がなかったんです。なぜなら、創業者である先代そのものが経営理念みたいなものでしたから。

先代は家業であったタイヤ屋を引き継ぎ、社員や住み込みの人たちを守るために必死に仕事一筋でやってきました。そのような先代の真面目に仕事に取り組む姿勢が認められたのか、先代が30代半ばとなった頃、取引先の大手タイヤメーカーからコンベヤベルト製造の依頼が来ました。当時は茨城県でコンベアベルトをつなぐ人はおらず、先代が茨城県で初のコンベアベルト加工士となったのです。
高度経済成長期ということもあり、世の中はインフラ整備真っ只中だったため仕事の依頼は多数あり、順調に業績は伸びていきました。しかし徐々に競合他社も進出してきて価格競争が生じ、仕事の取り合いとなっていきました。

そんなある日、先代にコンベアベルトの修理依頼の連絡がありました。しかしその日は別の案件で忙しく対応できないと一旦断ったんです。しかし先代は夜、布団に入ってもそのことが気になって、夜中12時頃に依頼のあった現場に行ってみたらまだベルトは修理されておらず、先代は全身真っ黒になりながら朝までかかって無事修理を完了したんです。それでお客様もとても喜んでくれて、その経験から先代は「お客様第一主義。お客様のピンチに素早く対応しラインを止めない。」ということを基本方針にしたそうです。

先代の想いは創業56年目になる現在まで引き継がれていて、「365日年中無休、24時間体制」を当社は貫いています。これが当社の強みであり、「コンベアベルトのレスキュー隊」として社員全員が誇りを持って仕事をしています。

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入社から2代目社長就任までの道のり

会社を良くしていきたいと思う気持ちは一緒なのに衝突を繰り返す日々

私は入社時には自分が会社を引き継ぐことは決まっていたので、2代目として引き継ぐまでにも会社のあらゆることを見直していかなければと思いました。先代の体制のまま会社を引き継ぐことへの不安がとても大きかったんです。
先代とは「会社を良くしたい」という思いは同じだけど、先代と私が考えるやり方が異なったのでそこで衝突がたくさんあって苦労しました。
また、先代は創業当時から現場第一の職人で、誰もやらないなら自分がやるという人だったので、女で現場も知らない私のことは、先代はもちろん、社員もお客様も最初は全然認めてくれる状況ではありませんでした。

入社してからは、本当に苦労の連続でした。苦労話を挙げたらきりがないんですけどね。
1つお話すると、私が入社した頃は歩合給と月給の社員が混在している状況でした。創業当初は腕で稼いでくる社員が重宝されたので、トラックを与えて売り上げの半分あげるからしっかりやってこいという歩合給の形だったんですよね。ただ、みんな一匹狼としてやっているので、今日はしっかり稼げたしもう十分だとなってしまい、突発での仕事依頼の対応はしてくれないわがままな社員になってしまったんです。
私が入社した時には月給社員もいたので、そこで突発業務の押し付け合いが生じてしまい、社員みな不満が募るばかりで、当社の強みである「365日年中無休、24時間体制」も社員に浸透せず、結局最後は先代自ら現場に駆けつける、ということが繰り返されていました。
でも自分の代でもこの状態を続けることは不可能ですし、やはり社員全員がストレスなく働ける環境にしたいなと強く思うようになったんです。

そんな中、私はひょんなきっかけから経営者の勉強会に参加することとなり、そこで多くの方々との出会いがあり、経営指針を作ることになりました。経営について無知だった私にとって、大きな転機となりました。
そこから会社のビジョンや行動理念も作り、経営者として先代から受け継ぐ体制を整えていくことになります。

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「安心して働ける環境作り」のためにやり続けてきたこと

実践と失敗の繰り返しで今があることを実感

私が社長に就任する前から、新たに始めたことがいくつかあるのでお話しますね。

まずは朝礼です。
実は創業から47年間、朝礼をやったことがありませんでした。社員はみな現場へ直行直帰なので、社員同士顔を合わせることもほとんどなかったんです。そこで朝礼で、理念やビジョンを全員で唱和することから始めました。でも最初からうまくはいかず、「こんなのやったって意味ないだろ」と反発する社員もいて…。そんな状態でも諦めずに続けていたら、2年くらい経った時に徐々に唱和も全員揃ってできるようになってきて、今ではすっかり朝礼が定着し、社員全員で気持ちのいい一日のスタートを切れるようになりました。

経営理念の発表会というものも始めました。
まあこれも最初からうまくはいかなかったんですが。先代には「こんな時間があるなら現場へ行け」と反対もされたのですが、それでも私は諦めずにやり続けました。
今では、社員全員が今期の目標を書いて各自発表して共有する場として目標発表会を開催できるまでになりました。

社員個人面談も取り入れました。
実際に話を聞いてみると、現場の苦労や要望が出てきて、「こういう手当があったら嬉しい」という意見が出た時には手当を増設しました。年齢的にも私は母親のような気持ちで社員の話を聞いていて、体調を気にかけたりもしますし、社員からプライベートのことを楽しそうに話してくれることもあります。個人面談を始めた当初はなかなか心を開いてくれなかった社員もいましたが、今ではこうやって様々な話を私にしてくれることがとても嬉しいですね。

その他にも、会社の敷地内に産業廃棄物のゴミ捨て場を新設したり、独自のシステム開発をおこない業務の効率化を図ったりと大小様々なチャレンジを積み重ねてきました。

また、私は職人ではないので現場作業はできませんが、現場で実際にどのような作業が行われているのか自身で足を運んで見に行くようにしました。お客様へのお中元やお歳暮の挨拶も先代に代わって私が行くようにもなりました。やはり最初は「女のくせに何しに来たんだ」といった雰囲気があったのも事実です。しかし、続けていくうちに「よくやってるね、お茶でも飲んでいって」と迎え入れられるようになり、お客様にも徐々に後継者として認めていただけるようになりました。

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2023年に社長就任

やると決めたことは継続する。絶対に自分の信念は曲げない。

入社して今に至るまで色々とありましたが、2023年に正式に社長に就任しました。

これまで様々な困難や立ちはだかる壁が数多くあり、辛い時が何度も訪れましたが、何の根拠もないんですけど、「やると決めたことはやり続けよう!絶対自分の信念を曲げないでやろう!絶対会社を良くしよう!」と思って継続していったんですよね。すると、徐々にその姿勢を見た社員に私の想いが伝わり、次第に状況が良くなっていきました。

以前は突発の仕事の押し付け合いがありましたが、今ではそのようなことはなくなりました。グループLINEで社員が互いに業務の進捗を共有し合って、「じゃあ自分が行くね」と率先して動いてくれます。大きな案件の場合は、「じゃあ後から自分たちも駆けつけるよ」といった助け合いの風土ができて、本当にチームワークが良い職場になったなぁと実感しています。

社員同士も仲が良く、ベテランの先輩も若手に技術を教えてくれて、みんながのびのびとストレスなく働けていると感じています。環境を整えたことで生産性が向上し、売上にも結果が出ているのも事実です。
今では、社員が連れてきた友達が入社する事例も増え、エンゲージメントも高まってきたのかなと実感していて、やっと自分が目指す「安心して働ける環境作り」ができてきたのかなと思います。

まだまだこれからな部分もありますが、自分の仕事に誇りと使命感を持ち、仲間と働くのが楽しいと思える会社にしていきたいと思っています。

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自分から3代目の息子へ。そして100年企業を目指す。

自分の代で「風土」を整え、3代目が「文化」を作っていく

今後10年間で3代目の息子へ引き継ぎを完了させる予定です。
先代から私へ引き継ぐ時は、お互い向かう方向は同じだけどやり方が違ったので、その点がとても苦労したんです。本当に何度も先代と衝突を繰り返して、それでもなかなか分かり合えなくて。
数年前に息子が入社したのですが、先代と私のようなことは繰り返したくなかったので、この数年かけてしっかりと向き合って何度も話し合いをしてきました。おかげで今は方向性も固まり、ぶつかることもなくなりました。

息子に引き継ぐ時に大切にしていることがあります。それは、先代の作ってきた土壌があるから私たちは今できているんだという感謝の気持ちを忘れないこと。先代の築き上げてきた関係や技術すべてをあなたは受け継いでいくんだという責任。それらを私がしっかりと息子に伝えていかなければいけないと感じています。

これから3代目の息子へ引き継ぐまでに、自分の代でやるべきことは「地盤をしっかりと作ること」だと思っています。例えるならば、先代が開拓して作ってきた畑を、私がもう一度肥料を与えて耕して良い土壌にするということです。だから、人員も仕事も拡大していくということではなく、社員が安心して働ける環境を整えることが自分の役割だと思います。
そして、その良い土壌環境になった畑を息子へ引き継ぎ、息子の代で種をまいて作物を育てていく。つまり、自分が会社の「風土」を整えていき、その整った風土の上に、息子が会社の「文化」を作っていき、100年企業を目指していってほしいと思っています。

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会社情報

会社名略称. 茨城ベルトサービス
勤務先名 有限会社茨城ベルトサービス
会社名 有限会社茨城ベルトサービス
理念・使命 【経営理念】
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「つなぐ」
・人と人とのつながりを大切にし、多くの人達の恩(ありがたい恵)を大切につないでいきます。
・私達の仕事は、お客様のピンチに素早く対応コンベヤベルトで運ばれるお客様の製品から、その製品を買う人、使う人、食べる人へとつないでいきます。
・私達は仕事を通して、コンベヤベルトをつなげるだけでなく、人の気持ちをつなげていきます。
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たとえば養鶏場では、コンベヤベルトで運ぶものは卵だけではなく、肥料となる鶏糞も運びます。
鶏糞を運ぶコンベアベルトの保守点検はにおいや汚れもあったり大変な仕事ではありますが、鶏糞が肥料となり、また鶏が卵を産み、食べる人が安全に口にできるというようにすべてが循環しています。その循環サイクルの大元を担っている仕事なんだと、社員には誇りと使命感を持って仕事に取り組んでほしいと思います。

また、「つなぐ」にはベルトをつなぐという意味もありますが、先代の父から自分へ、そしてこれから3代目の息子へと繋がって継承していき100年企業を目指すという想いも込められています。


【ビジョン】
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茨城県内におけるコンベヤベルトのリーディングカンパニーでありつづける
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社員が誇りと使命感を持って働いている。技術力の高い会社。社員同士の関係が良好でチームワークの取れた会社。物心共に社員を大切にしている会社。お客様がファンになってくれる会社。
これらのバランスが全て取れた会社を目指し、「小さくてもあの会社すごいよね、良い社員さんばかりだよね」と言っていただけるような『小さくても一流企業』であり続けたいと思います。

【行動指針】
私たちは、明るく元気に気持の良い挨拶します
私たちは、お客様の気持ちに寄り添います
私たちは、自分で考え判断し行動します
私たちは、技術を研究し向上する努力を怠りません
私たちは、共に働く仲間を大切にします
代表者名 代表取締役 大月章子
失敗談・成功談 【成功談】
「クレームはチャンス」

先代の時代はクレームが発生しても報告書を出して終わりという状況で、どうしてそのクレームが発生したのかその過程を振り返るということがなかったんです。
でもクレームはチャンスに変わりますし、今後にしっかり生かせる環境に整えたいなと思って、私は報告書の中身を改良して、社員が書いた報告書に赤ペンでコメントを入れて、社員ミーティングの際にクレーム内容を共有するようにしたんです。ミーティングでは社員同士でここはこういう風にしたらよかったよねとか意見を述べ合って、全員が自分事として考えるようになりました。
人が関わる以上ミスやクレームをゼロにすることはできないけれど、もしクレームが発生してしまったらそのあとが大事なんだよ、次へのステップアップの材料になるんだよと社員に理解してほしくて。だから今後も継続していきたいですね。


【失敗談】
「たくさんの失敗を経験して今がある」

以前、役職者2名を置いた体制をとったのですが、その役職者2名の意見ばかりを私は聞き、その下の職人さんたちの意見を全く聞いていなかったんですね。現場で働く一番大切な職人の思いに全く耳を傾けなかったため、当然のことですが組織としてはうまくまとまりませんでした。
しかし、その失敗があったからこそ、今では社員全員で月1回のミーティングをおこない、先輩と後輩、技術職と事務の垣根をこえて意見を言い合えるようになり、風通しの良い風土ができたと思います。
こんな人に会いたい 当社の経営理念やビジョンに賛同してくれる人と働きたいです。

当社の強みは、創業当初からずっと変わらず「365日年中無休、24時間体制」なので、採用時にきちんと話して理解をしてもらってから採用しています。ここでズレが生じたまま入社してもお互いに苦しいだけですし。
もちろん土日に家族との予定があるからと前もって言ってもらえればそれは極力調整します。
ただ、自分たちは「コンベアベルトのレスキュー隊」だと考えており、これは当社の価値であり譲れない部分なので、理解していただける人と一緒に働けたら嬉しく思います。

きちんと理解して入社してもらえたら、一緒に働く仲間として大切にしていく自信はあります!
事業内容 コンベヤベルトエンドレス加工、搬送用ベルトの販売(加工・工事)、工業用ゴム(加工・工事)、各種ローラー販売
応募の流れ 当社にご興味のある方はまずインタビュアーである、
採用定着士を通して、ご相談下さい。
採用定着士の事務所名 徳田社会保険労務士事務所

話を聞きたい!

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社イイネ人材サービスを通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

事務所名 【インタビュアー】徳田社会保険労務士事務所 福田祥子
住所 茨城県つくば市二の宮3-2-8 第一芳村ビル302
事務所HP https://www.tokuta-sr.jp/
企業のセールスポイント 「人事が良くなると、会社が良くなる」
「高い専門性が私たちの強みです」
保有資格 社会保険労務士・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタント・健康経営エキスパートアドバイザー・採用定着士・アンガーマネジメントファシリテーター・職場のSDGs推進コンサルタント・職場の基礎代謝改善ファシリテーター・パワハラ予防士など

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