未来志向経営者インタビューサイト「社長タイムズ」

群馬県高崎市吉井町に本社を構える株式会社吉井精工は、精密プレス・金型設計製作から精密プレス加工までを一貫して手掛ける企業です。
その取扱商品は幅広く、エコキュートの熱交換器、自動車部品、建設機械、事務機器、物置、照明器具など、さまざまな分野に対応しています。
特に、新商品の金型製作から量産に至るまで一貫して関われる環境が特徴で、ものづくりの楽しさを実感できる職場です。

同社は、創業54年を迎える老舗企業であり、現在の代表は創業者である金型職人の義理の息子。
東京の品川で培った技術を群馬に持ち帰り、時代の変化に応じて事業を進化させてきました。
金型製作を主力としていた時代から、量産加工を併せて行う現在のスタイルにシフトし、業界のニーズに応え続けています。

さらに、同社の強みは技術力にあります。
7名の金型職人が在籍しており、量産工程でのトラブルにも迅速に対応可能。
測定器や顕微鏡を活用した品質保証にも注力しており、新人育成にも力を入れています。
若手社員は、金型製作から量産加工までの経験を積み、将来の技術者として成長できる環境が整っています。

株式会社吉井精工が掲げる経営理念は、「心（礼儀、感謝、謙虚）・体（忍耐、体力、持久力）・技（技術、実践、挑戦）」の調和を重視し、人づくり・ものづくりから感動を共感できる企業を目指すことです。

「社員の幸せを第一に考え、100年企業を目指しています。基本に忠実でありながら、新たな価値を提供し続けることが使命です。」と代表は語ります。

礼儀や感謝の心を持つことで、技術を身に付けるための基盤を築く。
そして、それを支える体力も重要です。
同社は、これら3つの要素をバランスよく育てることで、次世代を担う社員を育成しています。

リーマンショックの影響を受けた際、同社は取引先の減少と雇用維持の難しさに直面しました。
会社にいる技術者を手放せば再起することが難しくなると考え、なんとか雇用を維持。
取引先は減少したものの、残ってくれた取引先を今まで以上に大事にしようと考え
代表が自ら設計からまとめるところまでを担当し、社員たちと共に乗り越えました。


「一緒に考え、一緒に取り組む姿勢が大事でした。次世代を育てることの重要性も痛感しました。」と代表は振り返ります。
この経験を通じて、社員一人ひとりが成長し、会社全体の底力が向上しました。